放課後は、秘密の時間…
朝、教室に入ってきた拓真は、いつもより元気がなかった。

自分の席につくと、けだるそうに机に突っ伏して。


明らかに口数は少なくて、動くのがかったるそうな感じ。

多少、機嫌も悪そうだ。


なんだろ。

あかりちゃんと、ケンカでもしたんかな?


もしか、告って振られた――とか?


なんて、聞けるはずもない。



迎えた美術の授業。

あかりちゃんは、不自然に拓真を見ないようにしてるし、拓真は拓真で、ぼーっとした表情で画用紙と向き合ったまま。


こりゃ、やっぱなんかあったよな。

そうと分かったら、早いトコ、キッカケ与えて仲直りしてもらわねーと。


オレは、あかりちゃんにここぞとばかり話しかけて、その話題を拓真にも振った。

だけど、返ってきた返事は、「ああ」の一言だけ。


おいおい!

いくらなんでも、冷たいんじゃねーの?


あかりちゃん、泣きそうな顔してんじゃんか!


「なんだよ、拓真ぁ。そっけねぇなぁ」


とりあえずフォローすると、ぎこちなく笑顔を浮かべたあかりちゃん。

大きな物音とともに、拓真が倒れたのは、そのすぐ後だった。

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