放課後は、秘密の時間…
「バカ拓真!調子悪いなら言えっての!……気付かなかったオレが一番バカだけど!」


保健室でベッドに寝かせながら言うと、拓真は少しだけ笑った。


迷惑かけて悪い。

確かにお前はバカだけど。


多分、そんな意味合いの笑い方。


「でも……俺、も……バカ、だ」


その一言で分かった。

拓真が今こんななのは、熱があったからだけじゃなくて、やっぱりあかりちゃんと何かあったせいだって。


でも、拓真らしくない言葉に、何て返せばいいのか分かんなくて、


「……今、あかりちゃん来るから」


オレはそれだけ言って、解熱剤なんかを探しに戸棚の方へと移動。

結局見つからなかったけど、あとはあかりちゃんが何とかしてくれるだろ。



相当走ったのか、肩で呼吸を繰り返すあかりちゃんが戸を引いて、並んだベッドの一つに向かってく。

仕切られたカーテンの中、「行くな」って声があかりちゃんを引きとめた。


ここは、二人きりにさせてやるべきだよな。

オレがなんかしなくても、多分、もう大丈夫だろーから。


そう思って、一人教室に戻ったオレ。

二人がその後うまく行ったのは、次の日の拓真を見てすぐにわかった。


だから、安心してたんだけど――……

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