放課後は、秘密の時間…
「――ねぇねぇ先生、しつもーん!」


放課後の2年C組の教室、すぐそばにいた女子生徒の一人が手を挙げて、


「先生さぁ、彼氏とかいんの~?」


投げかけられた何気ない言葉に、身体がピキッと硬直した。


「だからぁ、カ・レ・シ!大学に付き合ってる人とかいんの~?」


見回すと、他の生徒達も好奇心に溢れた目で、じっとあたしのことを見てる。


……ど、どうしよ?

こういう質問って、答えてもいいものなの?


確か、個人情報(?)に関することは言っちゃダメだった気が……

(『教育実習の手引き』より)


「え~っと……」

「先生顔赤くなってる!」

「あ~彼氏いるんだぁー」

「どういう人?教えて教えて!」

「え、あの、それは……」


思わず両手で頬を触ると、どっと笑い声が起きた。


「先生かわいすぎー!!」


ま、また笑われたぁ……


返答に困ってるあたしをほうっといて、生徒達はきゃあきゃあ騒いでる。

この場をどう収めようか考えていると、


「――二宮先生」

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