放課後は、秘密の時間…
テーブルに置かれた料理は、ほかほかと白い湯気を立ててる。

目を輝かせながら、大也が割り箸を手にした。


「おおっ!相変わらずうまそう!いや、実際、うまいんだけどさ。なぁ、あかり?」

「へ?……う、うん!」

「大也君もあかりちゃんも、また嬉しいこと言ってくれるねぇ。それじゃ、ごゆっくり」

「ありがと、おばちゃん」


ほんと、すっごいおいしそう。

この久しぶりの味を楽しみたいのに!!


あたしは気が気じゃない。

ていうのも、さっきから痛いほどに視線を感じる。


……市川君の。


「あかり、食わねぇの?」

「食べる食べる、いただきますとも!!」

「ハハハ。なんだよ、それ?あんまり笑わせんなよな~」


あたしは笑わせるつもりなんか、全然ないんだけど!


あぁぁ……

市川君、すっごい睨んでるよぉ。


大也は市川君に背中を向けてるから、そんなこと気にならないんだろうけど……

あたしは、位置的に向かい合ってるから、そうもいかない。


いくら離れた席っていっても、お互いの顔くらいは自然に視界に入っちゃうんだ。


なんで今日に限って、ここに来ちゃったんだろ……


後悔したって、どうにもならないのはわかってる。

市川君達がいるって事実は、変えられないんだから。

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