放課後は、秘密の時間…
「なぁ、恵。今日の昼休み、二宮先生、学食来るんだって」


……へっ?


「しかも、俺らと一緒の席、座ってくれるらしいよ」

「うっそマジでっ!?」

「ね、先生?」

「?」


急に話を振られて、あたしはポカンと口をあけたまま、二人を交互に見つめた。


……な、なに言ってるの?

今、あたしと学食がどうとか言わなかった?


「ねぇ先生、そうだよね?」


さっきよりもかすかに強い声で、あたしに同意を求める市川君。

満面の笑顔なのに、目だけは笑ってない。


いつまでも返事をしないあたしを見て、市川君は制服のポケットから、何かを出そうとする仕草をした。

反射的に、携帯電話を想像しちゃう。


まさか、あの画像をここで出す気じゃ……


バッと顔を上げたあたしに飛んできた、小さなウインク。

市川君はにっこりと笑って頷いてみせた。


これって、話を合わせろってこと?


わかったからっ……

だから、携帯電話だけは出さないで――!


「そう、そうなの。あの……その、学食、一度行ってみたくて……」

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