《短編》想い人〜叶わぬ想い〜
悔しい…。


でも、それは殴られたことにじゃない。
煽ったのはあたしなんだからしょうがないと思ってる。



あたしが悔しいのは…、

震えてる自分に。


溢れてしまいそうな涙を溜めてる自分に腹が立つ。


負けたくない!


だから涙も流したくない。


これはあたしの意地だから。



精一杯意地を張って、あたしは彼を睨みつけた。


その表情が気に入らなかったのか、彼の拳に再び力が入ったのが分かった。



来る…ッ!?


「哲哉!」


祐介さんの声が響いた。


「いい加減にしろ。俺の事は何を言っても、殴ってもかまわない。けど、どんな理由があろうと、女に手を出すのは男として許さない。

俺がお前を殴る前に早く消えろ。」



凄く怒っているのが分かる。でも、凄く辛そう…。


そうさせてしまったのは全てあたしのせいだ……。



あたしがでしゃばってしまったから。



あたしが二人の仲をおかしくさせてしまった…。





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