《短編》想い人〜叶わぬ想い〜
駅を通り過ぎて、あたしの家に向かう。


今まで駅から近い場所に住んでて、良かったと思うことは有っても、後悔することは絶対ないと思ってたのに、今はもっと遠くに住んでれば良かったと、本気で後悔してる。



家が近づくにつれて、寂しさが込み上げてくる。



ヤダよ……。


まだ離れたくない。




そう思った時には、あたしは祐介さんの唇に触れていた。


少し冷たくて、でも柔らかい唇にキスをしていたんだ。


ビックリしているようだった祐介さんも、直ぐにあたしを受け入れてくれた。



そして二人言葉を交わさずに、タクシーを降りてあたしの部屋に向かった。


ただ、右手に伝わる温もりを握りながら。



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