《短編》想い人〜叶わぬ想い〜
どの位の時間が経ったんだろう?


分からないくらい夢中だった。


幸せ…


そう感じたひとときはもう終わろうとしていた。



「ごめん。俺…」


俯いて、言葉を選んでるような彼にあたしはこの言葉しか言えなかった。


「あたし、お酒飲んじゃうと人恋しくなっちゃうんだよね。

みんな知らないから、この事誰にも言わないで下さいね。」


あたしはヘラヘラと笑ってみせる。


「えっ…、ああ〜……、誰にも言わないけど…、俺じゃなくても良かった?」


そんな訳ないじゃん。祐介さんだからじゃん。

祐介さんだから全て欲しくて…、でも出来ないでしょ?

だったら、あなたを苦しませるような出来事は無かったことにしましょう。


「さぁ?どうだろうね。」


あたしって最低でしょ?

だから何も無かった事にしていいよ。




ただ、ひとつだけ許して。

あたしはこの事を忘れられないと思うの。

だから、あたしがあなたを思ってる事だけは許して下さい。



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