たった一人の親友へ〜another story〜
帰り道


お互い必要以上のことは話さなくて


ただ身体中の神経が左手にそそがれていた


きっと俺は


この日のさなの手の温もりを忘れない


この先お互い違う人を大事に想って


違う人生を歩んだとしても


俺は絶対に忘れないよ




この中学で過ごした三年間


もし神様がいるなら


俺はあなたに“ありがとう”と


そう言いたい


さなに出会ったことで


友達の大切さも


片思いの切なさも


人の温もりも


全部知った


知ることが出来た




家に着いて二人の手は自然に離れる


これが俺たちのタイムリミット


この中学生活を心に刻み付けた


ありがとう


俺の三年間


ありがとう


さな
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