あいつの青春
「はぁ―…」
ため息をつくと、
かすかに吐いた息が白く宙に漂った。
カチャ。
俺の後ろで物音がしたので振り返った。
「ヒロさん…?」
「深多さん…
どーしたの?深多さんも目ぇ覚めちゃった?」
深多さんは玄関から出てきて俺の隣に腰掛けた。
「大丈夫ですか?」
「え…何が?」
深多さんが不安そうな顔で聞いてきた。
「いや…
ヒロさんの背中が
すっげぇ哀しそうに見えたから…」
深多さんはそう言うと俯いてしまった
不思議に思った俺は
深多さんの顔を覗き込んだ。