永劫の罪人 光の咎人
(これが、『永劫の罪人』?)

 肩先で毛先が暴れた褐色の髪。
 まだ成熟しておらず丸みの少ない体だが、胸はしっかりふくらんでいる。背はわずかにロンドよりも高い。

 無駄な肉がついていない、引き締まった体の少女だ。
 何より目が行ってしまうのは、彼女の左顔。
 整った凛々しい顔には、左まぶたから頬にかけて、獣がつけたであろう四爪の傷跡があった。
 ただ、決してそれは醜さを感じさせず、勇ましそうな顔立ちを強調している。

 まだ意識が戻っていないのか、少女は虚ろなめのう色の瞳で空を眺め、二人に何の反応も返さない。

 ふと少女が裸だと気づき、ロンドの顔はおろか、指先まで赤くなる。

 動揺するばかりのロンドに「よかったな、いいモン見られて」と言いながら、ビクターは着ていた黒の外套を少女にかぶせた。
 そして顔を隠していた布をほどき、少女の腰に巻きつけて、外套の前を閉じた。

 現れたビクターの顔は、声の雰囲気そのままの軽さがあった。
 垂れ気味の目からは群青色の瞳がのぞいている。口端を上げた表情は、飄々としてつかみどころがない。

 背中まで伸びた赤いクセ毛の三つ編みに、胸元が大きく開いた粗野な服。
 もっと格好を整えれば、街の女性が放っておかないような青年なのかもしれない。
 しかし残念ながら、不真面目そうな空気が彼の魅力を半減させている。
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