ガラスのタンポポ#虹
奏来はオレと兄貴を交互に見て笑う。


どうしてか。


奏来のいる空間は、ここに来ても居心地がいい。


いつだってそうだった。


幼い頃のタンポポの公園も、オトばあのいなくなった家も、奏来がいれば明るく光る。


そんな居心地の良さに流されぬよう。


オレは一番言いたかった言葉を口にする。


「奏来」


“?”


「オレの子供を産む決心をしてくれて、ありがとう」


“もし、ソラがいなくなっても、みんなの愛をこの子に注いでね?”


「奏来…。兄貴、医者は何て…?」


「危険な賭けだと言われたよ。奏来の病気が再発すれば、放射線や抗がん剤治療を受けなければならない。そうなったら…」
< 211 / 225 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop