悲しき 極道

鬼パチ

昨日は学園から歩いて、
三ノ宮まできた…

藤のツレは、
迎えにくるんに
先輩の車で送ってもらいよった。

帰りの事も考えずに…

お陰で藤の地元まで
歩いて行くことなった。

…一晩歩かされた…




取り敢えず、
迎えにきたハマの家に
上がり込んだった。
クタクタや…

「ちょ〜、
靴はぬいで〜な〜…」

「………」




…息苦しぃ…

目ぇ覚ましたら、
ハマのダボが
顔の上に足乗しとる…



ワシらは丸一日、
寝てたみたいや。

ワシと藤は、
寝ぼけた顔でタバコ吸うてた。

「なぁ藤…
ワシらダサいなぁ〜」

「ハゲやもんな…」

お互いが頭を見ながら、
下向いた…

二人の間には、
ハマが汚い寝顔でイビキかいとる。

「…コイツだけ染めて
長いのはアカンやろぉ〜」

「アカンな〜!」

気持ちは一緒やったみたいや。

藤は鼻歌なんかやりながら、
ハサミを動かしよった。


ハマの次はワシらや。

ハマを見て笑いをこらえながら、
ワシらはパチキ入れた。


パチキ言うたら、
ソリコミの事やな。


笑いながらやさかい、
どぉもウマいこと出来へん…
右と左がバラバラや…


気ぃついたら藤もワシも、
頭のテッペンまでソリ上がってた…
鬼のよぉに…

せやけど、
なかなかシブい!

鬼パチの完成や。


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