氷雨
「・・・何?」

那千が泣きそうになっているゆーちゃんを指す。
あたしが、それを見て顔をゆがめると怒り出した。

「何言ってやがんだ。遊夜は強くて仲間思いだ。そんな遊夜を昔のほうが良かったなんて、努力した意味がないじゃないか。」

努力?

「したんだね。でも、あたしは強い子以外は甘やかさないよ。遊夜は弱いから叱るだけ。」

手を振り払い、さっさと学校に戻る。
誰も、追ってこないから、楽に戻れた。
でも、もう放課後になってしまっていた。

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