君と恋に落ちて


「…美味しい」


普通おかゆって誰でも作れて大体美味しいイメージがあったけど、この男の人が作ったおかゆは今までの人生で1番美味しいと感じた。


「ほんま?ありがとう。お世辞でも嬉しいわ」

「そ、そんな!お世辞ちゃいますよ!ほんまに美味しいんですって!!」


私は慌てて言った。


「ははっ!そんな慌てて言わんでもええのに。ありがとうな」


そう言って男の人は私の頭をそっと手を伸ばした。

でも私はその行動に恐怖を覚えて身体をびくつかせた。


「ひゃっ…」

「あ、ごめん。びっくりしたよな?ごめんな?」


男の人は眉を下げて謝った。

きっと私の頭をなでようとしてくれたんだよね。

でも条件反射でどうしても触られることを私は拒んでしまう。

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