初恋の行方〜謎の転校生〜
二人の転校生
「川島さん。ぼ、僕と付き合ってください」


放課後、私は高校の裏庭にいた。


昼休みに教室で友人の理恵とお弁当を食べていたら、今、目の前で赤い顔をして立っている佐藤君から声を掛けられ、話があるからと、ここで待ち合わせをしていたからだ。


佐藤君は同じ3年生で、以前から顔は知っていたけど、話すのは今日が初めてで、まじめで優しそうな印象を覚えた。


こういう男の子を彼氏に出来るといいんだろうな……


そう思いながらも、


「ごめんなさい」


と、私は予定していた言葉を佐藤君に告げると、頭をペコッと下げた。


「やっぱりダメだよね? 僕なんかじゃ……」


そう呟いて、がっくりとうなだれた佐藤君が可哀相になり、


「違うんです。私は誰ともお付き合いしたくないんです」


と、断わった理由を説明した。


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