初恋の行方〜謎の転校生〜
「柏木……くん?」


柏木君は笑うのを止め、今度は憎々しげに私を見ていた。


「がっかりだな、川島美咲」


「え?」


「こんな軽い女とは知らなかった。俺んちに来いよ。抱いてやるぜ?」


「な、何を言ってるのか……」


「“わからない”ってか? カマトトぶんなよ。何ならココでシてやってもいいぞ」


そう言って柏木君は私を引き寄せると、私のお尻をムズッと乱暴に掴んだ。


「やめてください!」


私は叫びながら、柏木君の胸を両手でドンと押した。


「遠慮すんなって」


「ば、バカにしないで! 私はそんな女じゃないわ」


「じゃあ、どんな女なんだよ? あんたみたいに、純情ぶって男心をもてあそぶような女は、許せねえんだよ!」


(なんで、そこまで言われなきゃいけないの?)


私は悔しさで、涙を溢れさせていた。

そして言葉に詰まり、無言でその場から駆け出していた。

公園を出た所に、黒塗りの車が停まっていた。


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