初恋の行方〜謎の転校生〜
復讐 −隼人Side−
日記帳から顔を上げた俺は、ある女への怒りが沸々と沸き上がるのを覚えていた。


女の名は“川島美咲”。俺はその名前をしっかり頭に刻み込み、祖父の所へと向かった。


祖父は柏木コンツェルンの総帥で、威厳があり、誰からも恐れられている。


しかし、今や男では唯一となった孫の俺には、どことなく甘い面を見せる。俺はそれを頼りに、ある事を頼んでみた。


祖父は二つ返事で引き受けてくれ、わずか二日後には俺の頼みを果たしてくれた。


それは、“川島美咲”の現在の所在だった。


川島美咲の住所と、通っている高校がどこかが分かった。それが私立の共学と知り、俺はある計画を思い付き、再度祖父に頼み事をした。


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