One STEP



うぅ…あたしはあの先輩に「いらない」言われちゃったんだよね…怒ってるのかな…?


恐くてそっちを向けなかった。



向けるわけがない。


やけに机に置いたコップの音が響いて聞こえる。



ぎゅ、っと膝の上の拳に力が入る。



あたしはやっぱりいらないですか…?



ブンブンと、首を振る。


自分で決めたこと、今更迷ってどうするんだ。



あたしは決めたことは最後までやりとおす。


誓ったんだ。



だから、ここで頑張る。




「荒木さん、本当に入ってくれるの?」



藤田くんに言われたからじゃない?


そう心配してくれる寺原先輩はやはり天使だと思った。



みんなこんな先輩ならいいのに、とも思った。



だが現実はそう上手くはいかない。




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