One STEP




「演劇部に入ったんだってねっ!!!!!」



…それか。


あぁなるほど納得。



情報が早いなぁと感心してしまうほどだ。



そう言えば、昨日琴子に演劇部に入るよう命令されてたんだっけ?



結局自分の決心で決めたことだから、琴子に命令されていたことなんて忘れていた。



「本当ありがとおー!!!」



もはや泣き始める琴子。


そんなに寺原先輩が好きなのだろうか。



「…どういたしまして」



なんか…あたし…売られた気分なんだけど…。



琴子は鼻息荒く、あたしに言いかける。



「今日テニス部ないの!だからね、演劇部行ってもいいかな?!」



あたしにイエスノーを言う権利はないと思う。


というかノーって言っても勝手にイエスと思い込むよね?完璧に。




< 232 / 528 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop