One STEP
そんなこっち側の考えていることなど気づくはずがなく、
「当たった感触がするよー?!」
ワクワクしながらバっと目隠しタオルを剥ぎ取る。
しかしキラキラと輝いていた瞳が一気に曇った。
「あ…あれれ?」
不思議に思い、みんなスイカの周りに集まった。
「………」
ヒーヒー声を上げながら爆笑する柳沢先輩とゆた先輩。
あたし達は笑うというか、苦笑だった。
「え――ッ!!なにこれぇ!!」
夏沙先輩絶叫。
どうやら力が足りなかったみたいだ。
あんなに振りかぶったのに…
どうやら当たったが力が足りなすぎだったみたい。
竹がちょびっとスイカに食い込んだだけだった。
こ…こんなことってあるのか?
初めて見た。
あんなしっかりど真ん中に当たったのに、ヒビが入りもしなかったりなんて。