アイシング、マイラブソング
「淋しかったよぉ!今日は一年記念の日なのに…ケンカはヤダぁ!」



僕もハッとして、慌てて彼女を抱き締めた。



―そうだった…!



とにかく気を落ち着かせようと、座る彼女に覆いかぶさるように包み込んで、

そして、ポンポンと頭を2回撫で、なだめた。



「ああ…今日…。そうだよね、ごめんね。記念日台無しにして…」


「あたしこそ、ケンカのきっかけ作ってごめんなさいっ…」



家出をして親が恋しくなってしまった子供のような千架が可愛くてしょうがない。

危機感が無さすぎるかもしれないが、つい顔がほころんだ。



「いや、記念日忘れててごめんな…自分が告白決意した日だってのにな」


「もういいよ…もういいから、もっとぎゅーってして…でなきゃ許さない」


「そんなの、願ってもない罰だよ」



ありったけの力で千架を抱き締めた。

とはいえ、女の子相手に本気を出したら潰れてしまう。

愛情を込めた、最高の力で抱き締めた。

千架も僕の背中に手を回しながら、胸で涙を拭った。
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