アイシング、マイラブソング

【5―2】スター

付き合って一年以上が経っても、


相変わらず登下校は出来るだけ一緒に過ごし、

休日もいろんなところに遊びに行っていた。


祥がヒガミ混じりで
「おまえらイチャついてんじゃねーよ!!」
ってキレてくるぐらい、仲良し。



そんなある初冬の日、

千架に誘われて
彼女の通う歌の学校の発表会を見に行った。

美和も声を掛けられたようで、一人よりは二人、ということで同行した。


「あたし一度見たことあるけど、千架はめっちゃプロ!感動だよ!」


僕も数回一緒にカラオケに行ったけど

確かにプロみたい。


手で音感をとる仕草や

目を閉じて気持ちを込めるところ

全てに惹かれてしまう。



「楽しみだな」



僕は少し気の入らない声で言った。


まだ舞台に上がった姿を見てもいないのに、


千架が遠い人のように感じてしまったから。
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