スキ、スキ?
ゴクッとクラスメートの誰かが息をのむ音が静かな教室に響く。
何を言うつもりなんだろう、藍は。
みんながそう思っているに違いない。
そんな空気の中、藍はビシッと指をある人に差した。
その瞬間、あたしはと言うと“あぁ・・・終わった”そう思った。
だって指を差したある人は、綾くんだったのだから。
「おい、クソ小川!」
「・・・は?」
無関係だと思っていただろう綾くんは、いきなり差された藍の指とクラスメートからの視線に驚きを隠せずにいる。
きっと“クソ小川”にも驚いたに違いない。
「お前に彼女はいるか!?」
・・・・・はい?
きっと誰もが思っただろう。
今の藍の質問に。