スキ、スキ?
その瞬間、さっきまでの静けさなはどこにいったやら。
「彼女?」
「嘘、彼女いたの?」
「小川に?」
「意外なんだけど」
色んなクラスメートの声があちこちから聞こえる。
見た目だけを見れば彼女がいても可笑しくないだろう、うん。
でも、無口で無愛想な綾くんに彼女――なんて誰しもが考えなかったに違いないし。
ざわめきを取り戻した教室を静かにさせたのはまたしも藍の叫び声・・・
「黙れ、野郎共!」
となんとも男らしい発言をした藍のおかげで、誰もが息をのむ嫌な空気に逆戻り。
「彼女いるんだ。今までその存在すら感じなかったんだけどさ、今何か月よ?」
睨みをきかした藍の視線に負けたのか、それとも隠す気が無いのか、綾くんは言う。
「2か月・・すぎたくらい」