【長編】雨とチョコレート
ううう・・・・・・・・ごめん、しの・・・・。
やっぱり俺はしののことが好きすぎるみたいで。
こういうのが『惚れた弱み』っていうか・・・。
9年も片思いだから、そりゃ、しのの全部が好きじゃなきゃこんなに長く好きでいられないよね。
「ほらぁ!
れい君のそういう顔が見たくなかったから言いづらかったんだよ~!
まゆげ下がってるよ」
情けない顔の俺の前に立って、俺の眉毛を自分の指で再現して、エヘヘってまた笑った。
しのが笑ってる。
これのおかげで元気付けられてる。
いつもいつも、毎日毎日。
「でも、ゆりぴょんのことだけじゃなくてさ」
俺を見下ろす感じで目の前にいるしのが、俯いた。
「いつまでもこのままじゃだめだと思うんだよね」
また、意味の分からないことを・・・・。