【長編】雨とチョコレート
「真山君、目が覚めた?」
ゆりぴょんがベッドの脇の椅子に座って、俺を見ていた。
状況がつかめない。
唖然とする俺に伝えられたのは、ここまで運んでくれたのが神崎だということぐらい。
「にしても酷い子よね、櫻さん」
ゆりぴょんの手が俺のあごに伸びる。
痛かったでしょ?
「頭突きなんかして。女の子のすることじゃないわ」
「頭突き・・・ですか?」
「真山君が気絶するくらいすごいものだったのねぇ・・・」
ぽつぽつと会話を交わしながら、この間のことをまた思い出した。
『ゆりぴょんは―――――』
頭を振って考えを消す。