幕末陰陽師
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私は主様に対して“優しい”と感じた事はない。




私は主様に対して、何の感情も持たない。




なぜなら私は主様の“道具”だからだ。




朦朧とする意識の中、私はただそれだけ思った。




主様の言い付けを破り、刀を手放したこと。それに対する罰を受けなければならないこと。
そんな事を考える余裕は、今の私には無かった。
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