桜色の底



「西尾は飲んだら大変だよね、きっと」





先生は笑いながらそう言った。



先生、私、早く大人になりたいんです。



お酒が飲めるくらい。



先生が女として見てくれるくらい。





私はニコニコしながら先生を見た。




先生もニコニコしていた。






夏休みに入る前までは私も同じ学年の
私の中ではイケメンに属する男の子が好きだった。


その男の子には告白してふられている。




ついこないだまで女の子のまんまでいたかったのに
今は女になりたい。




我ながら我が儘すぎるぜ。
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