神宮姫伝


すると優聖が話し出した。

「…俺はもう無理なんだよ。
狂っているんだ。椎がいなきゃ俺は
無理なんだ。いつ椎がいなくなるのか
不安で仕方ないし苦しいんだ…」

優聖は苦しくて悲しくて仕方のない
といった表情で顔を歪めながら
話していた。

あたしがごめん、と言おうと思った
瞬間頬に痛みを感じた。

目線を動かすと頬にあたっているのは
ナイフ。

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