シンデレラと魔法使い

2

「新婦入場」


重い扉が開かれ、バージンロードを一歩一歩進んでいく。


ルイへ近付くたびに私は手のなかのカードを握り締める。


(カード、置いてくればよかった…)


もう後には戻れないのに、置いていくことができなかった。


大勢の人々が私たちを祝福してくれている。


なのに…


後ろめたい気持ちが募るばかりだ。


何故だろう?


思いは断ち切ったはずなのに…



ついに、ルイのもとへたどり着いた。



「綺麗だよ…」


何回も言われている言葉なのにたまらなくなる。



式がはじまった。


賛美歌が歌われる。



綺麗な歌声にふとレオが見た流星群のことを思い出した。


何故だろう…


ぜんぜん関係ないはずなのに、レオとすごしたわずかな時間が私の脳裏によぎる。


(レオ……)


無意識に手の中のカードを握り締めていた。


その様子をルイが見つめていたとも知らずに…
















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