見えないモノと、指の銃。


「俺と先輩の言ってる事、
若干食い違ってるんですよ」

なおも笑いながら、そう告げられた。


「俺、死んでない?」

「はい。死んでません。
まだ意識は戻らないままですが。
それは当たり前ですよね」

……確かに。

俺の意識はここにある。
八紀の体の中に。


「この新聞の、
どこに死亡って書いてますか?」

もう1度、新聞記事のコピーを読む。

男子生徒が、意識不明の重体。


「……どこにも」

「先輩の体は、
まだ病院で寝ているはずですよ」

ニヤケがおさまっていない三枝は、
確実に俺が勘違いしていた事に気が付いていたはず。

なのにそれを正さなかったという事は……


「お前、面白がってただろ」

「はい、もちろん」

それはもういい笑顔で。
対する俺は、引き攣り笑いで。

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