約束期限
「日本に居た頃のKさんは、どんな幼少時代を過ごして居たんですか?」


「んー…運動も勉強も出来ましたね。隣の席の子をからかって遊んだり…元気で悪戯の好きな子供でしたよ。」


「それなら、モテてたでしょ?」


「いえ、そんなことはないですよ」


「これからの活動は?」


「俳優業はしばらくの間お休みします。日本では、写真集の撮影などモデルとして活動していきます。」





 ―ねぇ、景。
  やっと約束の歳になったよ。―





「留学の期間はどのくらいですか?」


「短くて半年と考えています。」


「いつもつけているペンダントがファンには気になるようですが、それはどう言ったものなんですか?」


「これは…これは、約束の印です。」


「それは、恋人との?」


「いえ、大切な友人との。」


「日本に行ったら、一番に何をしたいですか?」


「そうですね…十五年ぶりに友人に会いたいですね。」


Kが、そう答えて記者会見は終了した。


会場から出る際は、入ってきたとき以上のフラッシュの量を感じた。



控え室に戻って、ネクタイを外す。


「K、大丈夫?」


「あぁ、疲れた…」


「五分後に取材ですよ。これに着替えてください。」


「あぁ」


立ち上がり、着ていたスーツを脱ぐ。


明後日出発だと言うのに、今日は夜遅くまで仕事がつめられている。


雑誌の取材に、テレビ出演。


明日には、お世話になった芸能関係者への挨拶周り。


韓国を出るまでの間、休んでいる暇はなかった。
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