秘密のMelo♪y⑥*イギリス編*
―――……
「なんかさー、こないだからどうも和食が苦手で。苦手っていうか食べられないんだよね。妊娠すると食べ物の好みが変わるってこれ本当だね」
「はあ…」
「まあそういうわけだから悪いけど下げて❤」
「も、申し訳ありません」
ニューヨークに琥珀達を連れに帰ってから二日後の今、あたし達は再び空の上だった。
お食事を持ってきてくれた、お兄ちゃんことマネージャーににっこり笑顔で伝えた。
「まねーじゃあっ!? 私まねーじゃあっ!?」
「違うの?」
「…違いません…」
だよねー。あ、でもこの人仕事なくなるよねあたしが音楽辞めたらさ。
……。
「かわいそうに」
「はう!?」
まあいいわ。
秘書としてやってもらうわいずれ。むふふ。
「ところで日本にはいつ着くの?」
「俺に聞くな」
「えっ…じゃあ誰に…?」
「心の底から驚くなΣ」
なんでやねーんのノリで手が出そうなかっくんは、なにやら突っ込みが鋭くなったように思う。
ひょっとしたらこれも、あたしの浮かれすぎによる錯覚かもしれないけどね。
「よく分かってんじゃねぇか」
「……」
…錯覚なんかじゃない。そう。現実。