秘密のMelo♪y⑥*イギリス編*
ぱらぱらとこめかみの怒りマークを振り払い、お下品にもずずずっと音を立ててスープを飲んだ。
「…ガキみてー」
「むかっ」
「いじけんなよガキ」
「むかむかっ」
「くくくっ…」
悪うござんしたねガキで…!
でもそんなガキを嫁に選んだのはそう、あなたっ。
「だから俺は選んでないっつーのに」
「後悔してるのね…!?」
「後悔しそうだからその白々しい芝居はやめろ」
「ういっす」
ところでこのスープは何かしら。
フカヒレかしら。
「きのこでございます」
「きのこだそうよいやあねフカヒレだなんてかっくんたら藤峰家の(次期)大黒柱ともあろーものがっ」
「……」
別に味が分からないわけじゃないのよ。
ただちょっとだけ形状が似てたから言ってみただけよ。
本当よ? …うん…。
「それでは、バゲッドをこちらに置いておきますね」
「ばすけっと?」
「……失礼します」
「はいはーい」
今一瞬呆れ顔が見えた気がしたけど…気のせいにしておいてあげよう。