秘密のMelo♪y⑥*イギリス編*

ぱらぱらとこめかみの怒りマークを振り払い、お下品にもずずずっと音を立ててスープを飲んだ。


「…ガキみてー」


「むかっ」


「いじけんなよガキ」


「むかむかっ」


「くくくっ…」


悪うござんしたねガキで…!

でもそんなガキを嫁に選んだのはそう、あなたっ。


「だから俺は選んでないっつーのに」


「後悔してるのね…!?」


「後悔しそうだからその白々しい芝居はやめろ」


「ういっす」


ところでこのスープは何かしら。

フカヒレかしら。


「きのこでございます」


「きのこだそうよいやあねフカヒレだなんてかっくんたら藤峰家の(次期)大黒柱ともあろーものがっ」


「……」


別に味が分からないわけじゃないのよ。

ただちょっとだけ形状が似てたから言ってみただけよ。

本当よ? …うん…。


「それでは、バゲッドをこちらに置いておきますね」


「ばすけっと?」


「……失礼します」


「はいはーい」


今一瞬呆れ顔が見えた気がしたけど…気のせいにしておいてあげよう。


< 133 / 279 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop