秘密のMelo♪y⑥*イギリス編*
――楓サイド――
「さあ、行け!」
「ほら早く」
「無駄に男前なんだからそのくらいできるでしょ?」
「無駄は余計だわりんりん」
「……」
なんで俺がこんなこと…。
「ハア…」
蓮二のやつ…少し変わったんじゃないか?
こんな提案をする男だっただろうか。
ため息をつきながら蓮二をちらりと見やった。
「あ!! あそこにいたわ!」
「本当に楓様!?」
「あ、ほら来たわよ」
「おい…マジでやんのか」
「当たり前だ」
「バカバカしすぎるだろ」
「ああいう子たちにはこのくらいバカバカしい方がかえっていいよ」
果たしてそうだろうか。
疑問に思ったものの、ここまでくれば仕方がない。
どうにでもなれと腹をくくった。
―くるっ
「あ! あっちに行ったわよ!」
蓮二のシナリオ通り、俺は連中に背を向け曲がり角を曲がった。
そしてまたもシナリオ通り…連中は後を追ってくる。