秘密のMelo♪y⑥*イギリス編*

あたしは普通のご飯を食べるのが久しぶりだったから、話なんてろくすっぽ聞いていなかったけれど、かっくんが適当ながら代わりに答えてくれていたみたいだった。


「そろそろ出るか」


貴嶋さんのその一言で席を立ったあたし達。


「あ、あたくしちょっとお化粧室に」


「気分悪いか?」


「ううん違うわよ、大丈夫。先行ってて」


みなさんにそう声をかけてあたしはお化粧室へと向か……。


「……Excuseme,where is a restroom?」
(あのすみません…お手洗いはどこかしら?)


…えませんでした…。

えへ❤とちょっとかわいこぶってみながら店員さんに尋ねたのでした。


「さてさて…あそこね」


ずいぶん小さな扉なのねぇ…。


ほんとに合ってるのかしらなんて思いながら恐る恐る開くと、間違いはないようだった。


「んしょ…急がなくっちゃ」


みなさんと別れたらどうしましょう。

どこか行こうかなあ?

それとももう帰ろうか…。


悩むところだわね。


ハンカチを咥えてうんうん頭を唸らせる。

遊びに行きたいとこだけど、かっくんがほら。

無理すんなよとかってすごく心配するだろうからね。


…そこが好きなんだけど!❤


くふふっと思わず笑みをこぼしながら、もう一度鏡で身だしなみを確認して化粧室を出た。

外で何が待っているかも知らずに…。


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