秘密のMelo♪y⑥*イギリス編*
――楓サイド――
『ありがとうございました』
俺達二人とあいつらは会計を別にするので、先に済ませたあいつらは一足早く今店を出た。
といっても真裕を待つだけだ。
俺は俺達分の会計を済ませ、少しその場で待っていたのだが…ガラスの一部柄のないところから見えた光景に、思わず勝手に足が動いた。
-カララン
「いやーすまないねえ」
「いいえぇ! そんなことより、本当にあの…」
外には四人の姿と…一人の日本人男性。
しかもその声に、俺はものすごく聞き覚えがあった。
「本当に、あの藤峰洋平さんなんですか?」
……おい。
「ん? “あの”かどうかは知らないけど…僕はそんな名前だねぇ」
「うっそぉ!!」
「だから言ったじゃない! 見たことあるんだもの…!」
「マジか! なんでこんなとこに?」
…おいおい。
マジかよ…。
…やっぱり、聞き覚えのあるその声の主は義理の父…藤峰洋平だった。
盛り上がる一同の背後から、俺は思わず声をかけた。
「なにをやってるんです…お義父さん」