秘密のMelo♪y⑥*イギリス編*

…思わず間抜けな声が口をついた。

だってまさかこの流れでそんな言葉が出てくるとは思わないじゃない?


「あ…」

「……優衣、なんか違うような…」

「動揺し過ぎ…」

「落ち着こうか」


…うん。

本人が一番驚いた顔してるわね。


「あ、えーと…」


内気な彼女らしい。

カッと頬を染めてうつむいてしまった。


「……」


そんな彼女を見て、あたしは。


「ありがとうございます」


「…!」


考えるでもなくそう言葉が出て、自然と笑みがこぼれていた。


…よく考えたら初めてだ。

りんりん達や…家族以外にこれを言われたのは。


ふふっ…。


「ありがとう❤」


「……!」


「今日はありがとうございました。急ぎますのでこれで失礼します。…さあ行きましょうね父様、あなた❤」

「あ…! 覚えててくれたんだね…! 連れてってくれるん……っておかしいわ!!Σなんでこの私がこんな扱い…」

「紅葉に会いたーいな♪」

「こらこら真裕、引っ張らなくていいからそんな“もん”」

「“もん”て!! 楓くん君父に向かって“もん”て!!」

「ああ…つい」

「ついてΣついでそんなこと言っちゃダメだって幼稚園の頃教わらなかっ…」

「父様うるさい。お腹に響く」


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