秘密のMelo♪y⑥*イギリス編*

「だからねえ、僕のこと、もはや真裕達以外の君達まで知らんふり…?」


「あ、あの…ま、真裕…さん…?」


「真緒でかまいません」


「い、いえそんな…! あ、あの…その…」


「? なんでしょう?」


なにかしら。

急によそよそしい…というか、ひどく緊張しているような様子に…。


「あ…えと…わ、私…」


「…?」


どうしちゃったのかしら…。

思わず首を傾げながら優衣さんを見つめる。


「わ、私、ずっとファンなんです…! 秋の復帰ライブもとても嬉しくって…その…だから…」


「……」


続く言葉を予想して。

あたしの胸はチクリと痛んだ。


ひょっとして…また、演奏を聴きたい……なんていう類じゃないかしらって。

そう思うと、やっぱり胸は痛む。


「だから…」


…でも。

あたしのその予想は。


「だからえと…つまり…!」


…なぜだか、ものの見事に。



「ご、ご懐妊おめでとうございます…!」



…見事に、裏切られた。


「……へ?」


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