秘密のMelo♪y⑥*イギリス編*

そう。まさにそれだ。

あたしがさっきかっくんに話そうとしたの。


『今はつわり真っ盛りだし、それが治まればお腹も大きくなるわよねぇ?』


真っ盛りて。


「この際だから今言うけどー、あたし宝院やめようかなって思っ…」


『やめる!? え、やめる!?』


『やめるのなんで!?』


…なんでってあなたも今言いましたよね。

たった今仰いました通りですけど?


「……」


ちらりとかっくんに目をやると、無言でじーっとあたしを見つめていた。

…いやだわ❤そんなに見惚れ…。


「誰が見惚れてるか」


…ちゃって…。


「見惚れてくれたってよくない!?」


「どこに?」


「……神様。わたしはなぜこの男と結婚しなければならなかったのでしょう」


「それは神様じゃなくお義父さんに言っとけ」


…それもそうね。


『ちょっと!Σ夫婦漫才聞きにきたんじゃねぇわよ。ああ?』


「ごっ、ごめんなさい…」


リジュこえー。

こえーなリジュ…。


びくびくしながら密かにかっくんの陰に隠れ、続きを恐る恐る話しだした。


「だからやめるの。そういえば留学途中だけど…学校やめたら、自然と留学も終わりっていうか」


< 96 / 279 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop