名前も忘れてしまった
私は職員室から出て、すぐに走った。
重たい鞄を握り締めて、無我夢中に走った。
風紀委員に注意されたけど、そんなのお構いなしに
どこへ行くのかも分からず。
「はぁ……はぁ……」
止まらずに走った私。
色んな感情が混ざり合いながら、気持ち悪い気分になる。
「ここは…。」
辿り着いた場所は
屋上に行くための階段。
――……この、屋上で君に逢ったんだ。
ここから私達は、始まったんだよ。