逆転リバース
家に帰る途中、ルーくんは椿の背中でお眠り中。
「写真撮られないと思ったんだよ。女の格好をしてるわけだしな」
「うん。私も油断した……。社長なら断ってくれると思ってたの」
椿は私の頭を撫でる。
久しぶりの感触に、泣きそうなる。
「椿、大好き」
「どうしたんだよ。急に甘えてさ」
「私は椿だけだよ」
一瞬だけ俊介にドキッとしてしまった自分が恥ずかしい。
そっと椿の手を握りしめて、この人と永遠に一緒にいたいと心から願った。