逆転リバース
「今度さ、暇が出来たら旅行に行かないか?」
「旅行?」
「ああ。遠くに行くことがあんまり無いしな」
「うん、良いね!」
確かにどこかに出掛けたりとか無いなぁ。
いつもは行ける範囲でウロウロとするだけだった。
でも、少し落ち着いてからじゃないと大変だな。
椿のスキャンダルが消えたわけじゃ無いからね。
「結城は、どこがいい?」
「うーん、考えてない。でも、寒いところが良いな。涼しいとこ」
「考えとく」
椿がギュッと後ろから抱き締めてきた。
驚きつつ背中に感じる温もりに、私は目を閉じた。