エピソード オブ マイラブ
「2年3組27番。中学入る前からちょっとモテてて,今は結構な人気。今の彼女は春に告られてOKしたご様子で,まぁ仲良いのかな?そこんとこは知らないけど。あと,男子からも女子からも人望があってかなり競争率が高いそうです。名前は・・・」
「名前は?」
なんて名前なんだろ?カッコ良い名前かなぁ。もしかして,同じ名前かも。それはないかな,だって男の子で『さくら』なんて・・・いるわけないし。もしそうだったら,運命かも・・・なんて。
「ミズキサクラ。だってさ。」
え?
「え?もう1回。」
「だぁ~かぁ~らぁ~。」
なんだか,あみなの顔がにやけてる。もしかしてもしかしてもしかして・・・
「水城桜くん。」
「うそぉ~!?」
「ホント。向こうは漢字だけどさ。男の子で,こんな名前珍しいって結構有名だったみたい。あたし知らなかったけど。」
「同姓同名って運命じゃない?」
「はいはいそうですね~運命ですね~良かったですね~。」
あみなは流したけど,ホントにこれって運命じゃない!?
名前同じって,コレ神様がきっと仕組んだよね。
名前知るだけで,こんなにHAPPYだなんてもっと早めに聞いとけば良かった。
「ところであみな,こんな情報誰から聞いたの?」
「え?本人だけど。」
「はぁ?」
「名前聞いただけだって。2年のクラスにずかずか入って,『名前なんていうの?』って」
「2年生の子達・・・怯えてなかった?」
「あぁ・・・桜くん以外はみんな・・・ヒドイよね。名前聞いただけだっつうの。」
「あみなってやっぱすごいわ。」
「何がよ。名前聞くぐらい簡単。」
この人には毎回驚かされる。
本人に聞くだなんて・・・考えられないよ。
「桜くん,なんか言ってた?」
「いや別に・・・あ!]
「何!?何か言ってたの?」
「やっぱなんでもない~。」
「何ソレ?」