好きな人は、
「…あのー………」
「なに?」
「…あのー…良かったらなんですけど………これから一緒にお弁当食べないですか?」
「……は?」
「い、いや!イヤなら全然いいですっ!忘れて!」
くそー、やっぱ無理かよー。
神様、話が違うじゃんかー。
顔を背けて、泣く泣くプチトマトを口に放る。
なんだよもう、逆に気まずいなぁ。
「……寄れば?」
背中の方から、彼の小さな声がした。
ぐるんっと首を360度回す勢いで彼を振り返る。
「え?」
「だから、もっとこっち来たら。」
一緒に食べるんでしょ、と彼は付けたし、お茶をゴクリと飲んだ。
………うわ、涙出そうだ。
神様仏様御先祖様。ありがとう、ありがとう
「…食べないなら来なくて良いけど。」
「た、たべる!」
急いで自分のお弁当を抱え、彼に近づ
…………こうとしたとき、段差も石ころも無いのにつまずいて、お弁当箱が彼の方にダイブ。
散らばったおかずが、わたしと彼の時間を止めた。
「……………あ」
「……やっぱ離れてくれる。」
「す、すいません!すいません!」