輝り道‐ヒカリミチ‐



次の日も
そのまた次の日も

“マツムラ琴理の好きな人奪ったんっしょ?!”
とか
“水紅の彼氏も奪おうとしてるんやって”
とか
嘘の噂は止まなかった

“援交してる”
って噂も度々聞いた

相変わらず
琴理や水紅を中心にクラスでのいじめは酷かったし、

メアドとケー番も
昨日
変えるまでは
知らない人たちからのメールや電話が絶えなかった




あの事件から
大分経って
もうすぐ今年も
夏休みに入ろうとしている

でも
まだいじめは続く…


毎年いつも遊んでた琴理。

もう
顔を思い出したくもなかった


でも
学校を休んだり
ましてや

死んだりなんか
絶対にしてやんない



逃げたかった
本当は逃げたかったんだ

でも
逃げたと思われるのが嫌で
仕方なく
学校にいく日々。

弱いくせに
強がっていた。

すぐに壊れそうな
バリアを張って。


誰にも頼らなかった

頼れなかった。

皐月や、陽樹にはもちろん。
優真にも英琉にも、先生さえも。

頼らなかった私が悪い?
それとも、
いじめられる私が悪い?


ちがうよね?!

連絡の一本くらいくれるでしょ、普通であれば。


メアドを変えなくても
ケー番を変えなくても

家の電話は
変わってないのだから
連絡ぐらい
できるでしょ?!


でも
この時は知らなかったんだ

英琉の気持ちに。
優真の友情に。


―――――――
何も知らないまま
夏休みに入った

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