誠-変わらぬ想いの果て-
「君、大陸にいたことは?」
「―――あるぜ?大分昔だけどよ。それがどうした?」
鷹は一瞬瞳を揺らした後、すぐにいつもの鷹に戻った。
辺り一面に広がる戸籍帳をパラパラとめくり、気のない風に答えた。
「君達は大陸で何と呼ばれていた?」
「俺達?俺達はアマツキ…ツネ、アマツキツネ!!」
鷹は机をバンと叩いた。
そして、松原が手にしていた本をバッと取り、そこに広げた。
「そうだ。俺達天狗は天の狗と書いてアマツキツネと呼ばれていた。ほら、ここにもそう書いてある」
確かに、これは飛鳥時代の学僧が書いたものだ。
大陸に渡って書かれたこの古い書物は、妖のことも書かれていた。
それがアマツキツネ。
日本に渡り、天狗と呼ばれるようになった妖だ。
「さっき、偶然落としたページがこれだったんだ」
「松原、でかしたっ!!」
土方はやっと苦行から逃れられるとばかりに喜んだ。