誠-変わらぬ想いの果て-



「お、俺、久し振りに悪寒がした」


「し、死んでもゾクッてくるもんなんだな」




ブルブルと本当に身震いし、両手をさすっている。


顔も心なしか青白い――気がする。




「ではみなさん、行きましょうか」



「そうだな」



「あ、忘れるとこだった。

土方さん、後で土下座な?」



「は?」




奏が土方の方を振り返り、ビシッと指差した。


いい子は人を指差したらいけません☆


悪い子もダメです☆




「楽しみだ、あぁ楽しみだ、楽しみだ。

――――あ、五七五できた」



「おい、ちょ、こら待て!!」




再び門を開き、その門の向こうへ奏達は足を踏み出した。


今度は土方も一緒に。


この頃にはすでに、土方はウダウダと考えていたことがバカらしくなっていた。


仲間との約束を果たすのをためらう必要など、初めからどこにもなかった。



< 17 / 254 >

この作品をシェア

pagetop