誠-変わらぬ想いの果て-
その時、ざわめきがさらに増した。
それは向こうからこちらに向かってやってくる。
カツンとヒールの音がしたかと思うと、ワインレッドのロングドレスで身を包んだ奏が颯爽と歩いてきた。
颯爽とは言ったが、字面の通り爽やかではない。
むしろ超がつく不機嫌さだ。
「なんと!!これはまた珍しい!!」
「あの者がドレスを着るなんて」
「信じられない」
「やはり美しい」
隠しもせずに言われる言葉に、奏はぎろりと睨みをきかせ、足早に通り過ぎた。
「奏!!こっちこっち!!」
ミエが手を振ったのに気づき、奏はさらに足を早めた。
「奏、可愛いーっ!!」
「うわっ!!ちょっ!!危ないですよ!!」
ミエが皿を手に持ったまま抱きついてきたので、奏はなんとか皿を受けとめた。